設立当初から埼玉鶴瀬支部を支えてきた古参拳士:山崎 正晴
 私が少林寺拳法に出会ったのは、昭和45年、東京に上京し大学に入学してからである。 クラブ紹介で初めて見た迫力ある演武と同郷の先輩が同じクラブにいると言う単純 な理由で入部したのがきっかけである。少林寺を始めて今年で30年、これほど長く 続けられたのは、入部と同時に出会った大野木監督(現先生)の影響が多分にあっ た事は言うまでもない。 今でこそ少しは肉付きのよくなった私であるが、学生当時は骨と皮ばかり、そんな私を 可愛がって(技の相手として突いたり蹴ったり投げ飛ばしたり)くれたのが縁である。 大学卒業と同時に職業学校に入学、半年間の缶詰生活の中で唯一の楽しみと言えば、月 一度通っていた武専で監督や学生時代に一緒に練習をやっていた拳士に合い練習をしたり、 飲むことであった。
昭和49年9月、職業学校を卒業した頃、監督から「支部を出すからお前も来ないか。」 との誘いに一も二もなく入門をさせて頂いた。入門当初拳士は大人、子供合わせて 8人、皆初心者ばかり、主座をやらせていただく機会の多かった私は学生クラブ出身 者とあって当初は面食らうことばかりであった。大人は私より年長者とは言え話せ ば解ってくれるが、子供はこちらの言うとおりにはならない。基本の突き蹴りをや っている間にも隣の者を突っ突いたりよそ見をしたり、注意ばかりをしている事が あった。それでも時が経ち後輩が入門して来るようになると、子供なりに少しは先 輩としての自覚が出るのか落ち着いて練習するようになった。道場は東武東上線鶴 瀬駅から徒歩で約25分程の所にあるプレハブ、地区の集会所で前は駐車場兼子供の 広場、裏は雑木林と言った中にあり、冬は割れた窓ガラスの隙間から砂埃や木枯ら しの吹き込んでくる中、鼻頭や足の裏を真っ赤にしながら練習し、夏は雑木林から 入ってくる薮蚊に刺されながら練習に励んでいた頃がなつかしく思い出される。練 習が終わると次は第二道場「やきとり宮城」で一杯飲みながら練習談義に花を咲か せていた。高校生が増えてきた事から酒をケーキとジュースに代え夜遅くまで語り 合っていたことも長く続いた。いくぶんか支部らしくなった頃、先生から「鏡開き をやろう」との発案があり、カップ汁粉にお湯を注いで始めての鏡開き。 「せっかくの鏡開き、カップ汁粉では味気ない、実際に餅を突きましょう」との地 元拳士からの呼び掛けに次の年からは本格的な餅つきをし盛大に鏡開きをし現在ま で続いている。又、この頃から拳士の親睦を深めようと家族も参加してのハイキン グが始まった。飯能河原でのハイキング、森林公園でのサイクリング等、又夜行列 車で行った本部帰山等々、思い出は尽きない。これからも多くの思いで作りの為少 林寺の修行に励んで生きたい。
少林寺拳法への思い 森 之彌
少林寺拳法はとにかく奥が深い。私はこの少林寺拳法に21年以上も関わってきた。 しかし、まだまだ未熟で修行も足りていない。 これからも少林寺拳法の探求を続けていかなければならないし、 ますますのめり込んでいくことになるだろう。
思いおこせば、少林寺拳法に入門した際の私の直接の動機は、 ただ身体を鍛えたいということにあった。 だから逆にいえば、空手や合気道などの他の格闘技でも良かったし、 テニスや卓球のような球技でも良かったわけである。 しかし、この少林寺拳法を選んだのは、この拳法には何か奥深いもの、 もっといえば何か神秘的なものを感じたからである。
修行を積み年数を重ねていくにしたがって、少林寺拳法の技の緻密な美しさと 「自己確立」や「自他供楽」という金剛禅の教えの素晴らしさを日々痛感するようになった。 また、立場的にも少林寺拳法を単に習得するという受け身の態勢から、 他人に教授するという方向へとかわってきている。 しかし、ここからが本当の意味で、「宗門の行」としての少林寺拳法修行の 新たなスタートかもしれないと思い、より一層の精進に励んでいる。
かつて少林寺拳法創始50周年の際に、「無限の愛と力 〜今、共に生きる歓び〜」 というテーマが掲げられた。無限の愛と力は、世代(とき)を超え、 国境(くに)を超え、全ての人との共生をもたらすという意味である。 以下は、私の周りの小さな活動であるが、"地域における共生"に向けて着実に歩んでいる姿を紹介したい。
現在、私が所属している埼玉鶴瀬支部・志木支部は、埼玉県富士見市と志木市の ふたつの市を基盤としており、大野木支部長のもとで少林寺拳法の活動を行っている。 富士見市での地域活動は、昭和60年に富士見市少林寺拳法協会を設立した時から より一層強まり、富士見市体育協会に加盟が認められるとともに、 なにかあるたびごとに少林寺拳法の普及活動に努力してきた。 毎年秋の市民増進スポーツ大会への参加(少林寺拳法の部で大会を開催)、 体育協会主催のスポーツフェスティバルや夏の「みずほ台祭り」への参加 (父母会や拳士会による模擬店出店)など、小さな活動ではあるが、 いずれも皆が自発的に労力を惜しまず参加している。 地域においては、こうした行動のひとつひとつが、 少林寺拳法への理解を深めてもらえる良いチャンスでもあり、 また少林寺拳法が地域における共生に向けて着実に浸透してきていると思われる。
少林寺拳法に出会い、そして拳法により、私の生き方は変わったと思う。 これからもこの拳法とともに、人生を歩んでいきたい。



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